
佐藤正午原作小説「鳩の撃退法」は、2015年の第6回山田風太郎賞受賞を受賞した作品となります。
この小説がこの2021年8月に藤原竜也さん主演で、【映画化】されることが発表されました。
実写化不可能と言われた作品を、映像化するということは、それなりに小説に込められた意味が映像化できない。
という意味合いも含まれているのではないでしょうか!?今回はタイトルの意味について考えてみます。
【鳩の撃退法】タイトルの意味や由来は?
映画の公開は2021年8月25日予定となっています。
【鳩の撃退法】概要とあらすじは?
元直樹賞作家である「津田伸一」は、ある【バー】で途中の小説を、担当者の「鳥飼なほみ」に読ませていた。
それは富山の小さな街で起きた出来事を元に、書かれた小説だったが、しかし読めば読むほど、彼女にはこれは事実なのではないか!?
という疑いが生まれ始めてきた。
・大量の偽札
・囲いを出たハト
・裏社会のドン
・一家失踪事件
この小説に書かれたことは本当の出来事かどうか彼女なりに検証を始めた。
元小説家津田の元に、ある日突然3千万を超える大金が舞い込んだ。その日暮らしで、ホステスの雇いドライバーとして
お金に困る彼はその金を使った。しかし、「それは偽札だよ」とあとになって教えられた。
しかも、そのお金は曰く付きのものであり、1年前の「家族3人失踪事件」と関りがあり、警察は偽札の出所と
その行方を追っていた。そしてそこには「裏社会」も絡み、更には「郵便局員失踪」も関わっていた。
津田が1晩で手にしたお金は、たった1日で、幾人もの人生を狂わせた。そして、彼はひっそりと、【小説】に書くことにした。
【鳩の撃退法】タイトルの意味や由来は?
「鳩の撃退法」というちょっと衝撃的な事を考えてしまいがちですが、【鳩】と言えば
・平和の象徴
・ものを運ぶ象徴
そもそも鳩が「平和の象徴」とされるには、【旧約聖書】へとさかのぼります。
堕落した人間たちに起こった神が、洪水を起こし人間を絶滅させようとしますが、
ノアに「船に動物を1つずつ乗せなさい」と指示をし、ノアは指示通り動物を乗せ洪水の中、海へ出ます。
そして、40日目にカラスを放ちますが、まだ「洪水」がおさまっていなかったので、カラスは帰ってきました。
それから7日後、ノアは鳩を放ちました。すると、洪水がおさまり作物が育ち始めた象徴として、「オリーブの枝」を持ち帰り
ノアは地上の洪水がおさまったことを知るのです。だから鳩は、地上に平和が戻ったことを知らせる動物として知られるようになりました。
その「鳩」を撃退するとは・・・!?
【幸せを壊す】ということでしょうか!?実際に、この物語で、「3人家族」と「1人の郵便局員」が行方不明になり
平穏な生活を奪われています。しかし、それでは「人の幸せを奪う」悲しい物語になります。
と、いうことは、【裏社会】に鳩のように囲われてしまった、人々を救うために、裏社会を撃退する方法。
ちょっと無理がありますか?一つ気になっているのは「1人の郵便局員」の存在です。
鳩は物を運ぶ象徴でもあり、郵便局員も物を運ぶ職業です。もしかしたら、この中の【悪】は郵便局員であり
その郵便局員を撃退し、家族を救い出す。そして、偽札の出所を割り出す。と言った意味があるのではないでしょうか!?
【鳩の撃退法】元ネタやモデルはいるの?
では次にこの小説はフィクションなのか、ノンフィクションなのか探ってみたいと思います。
【鳩の撃退法】原作について
原作について、読まれた方は様々な感想を持っていますが、一様に「伏線はすべて回収できたかわからない」と、述べています。
それが、津田という男が小説家であり、3千円万円を超える偽札事件を軸に、「現実と小説」を巧妙に使い分け
津田がガールズバーで語る話しや、それが真実なのかどうなのか!?
小説を読んでいるはずなのに、読者に津田が「語り掛けてくる」つまり、小説を書き進める津田と
読者と共にストーリーを勧める津田がいる。ということ。この2人の津田の存在が原作の伏線をややこしく
また、こっけいにさせている部分があります。そして、映画のキャッチコピーは「その謎に挑む、主人公はあなただ」
と、あるように、結果的に結論として、「鳩の撃退法」とはなんなのか!?鑑賞しながら考えるという今までにない構想となっています。
元ネタやモデルはいるの?
元ネタのモデルがあったかどうか、定かではありませんが、日本で起きた「偽札事件」に【チ-37号】と呼ばれる事件があります。
昭和36年、秋田県にある銀行で、「廃棄処分」される札の中から偽札が見つかりました。
とても巧妙にできており、紙の厚さが少し違うだけ。この事件の面白いところは、メディアが「連番だった」
と、報じると「番号をばらした偽札」に代わり、「肖像画の目元が違う」と報道されると、目元が修正され
報道に合わせ、偽札が進化していき、実際に使用されたにもかかわらず、犯人は捕まらず、肖像画が「聖徳太子」から「伊藤博文」へ
変更された時にこの【偽札】は出回ることはなくなった。そして事件は時効を迎えたが、不思議なことに
考えてみれば凶悪な犯行にもかかわらず「日本の偽札史上、最高の芸術品」と呼ばれているのです。
もしかしたら、津田もそんな「巧妙な偽札」を手にしたのかもしれません。
まとめ
・「鳩の撃退法」あらすじ
・タイトルが持つ意味
・原作について感想
・元ネタはあるのか!?
元小説家が、実体験を小説として書きながら、それはどうなのか!?と語り掛けてくる。
いないはずの津田がもう一人いることから、読者は混乱するが、そのうちに【伏線】が多くはりめぐらされ
最後に読み終わった時に、「鳩の撃退法」とは何だったのか!?伏線をすべて回収し、理解できたのか!?
と、再び読みたくなる小説が、映画化されるということで楽しみですね。