「シャイロックの子供たち」は【倍返し!!】で有名となった、ドラマの原作者である池井戸潤さんの著書です。
なぜシェイクスピアの「ヴェニスの商人」に登場する、強欲な金貸しの【シャイロック】が登場するのか!?
様々な角度から、そのタイトルの由来や意味などを調べていきます。
シャイロックの子供たちのタイトルの意味や由来は?
私は映画を見る前に原作を読んでおきたい人。
映像を先に観てしまうと良くも悪くも役者さんの「色」がついてしまう。
アマプラ観るのにも映画館に行くのにも、先に本を読まないと観れないから読書のスケジュールが決まってる。今月読書予定↓
『4月になれば彼女は』
『シャイロックの子供たち』 pic.twitter.com/rOkV6fuPVt— 本の海📚読書垢 (@YOMITAI7777) May 13, 2024
2022年にドラマ化、2023年に映画化されています。
シャイロックの子供たちの原作者について
池井戸が行きたくてたまらなかった居酒屋「#花さき」にお邪魔してきました🍶
美味しいお料理を前に、話に花が咲き🌸、とても楽しいひとときでした🍻#今田美桜 さん #山本耕史 さん #飯尾和樹(ずん)さん#上川隆也 さん #日テレ #土ドラ9 #池井戸潤 https://t.co/4v2AEmqbgN pic.twitter.com/klMqIzfVj5
— 池井戸潤の事務所です【公式】 (@officeikeido) May 3, 2024
名前 池井戸潤
生年月日 1963年6月16日
出身地 岐阜県
デビュー 1998年
代表作
・果つる底なき
・鉄の骨
・下町ロケット
・半沢直樹
・空飛ぶタイヤ
受賞歴
・1998年 第44回江戸川乱歩賞
・2010年 第31回吉川英治文学新人賞
・2011年 第145回直木三十五賞受賞
・2023年 第36回柴田錬三郎賞受賞
子供の頃から国内に限らず、「ミステリー」が好きで、特に【江戸川乱歩賞】を受賞した作品は読んでいた。
慶応義塾大学の法学部を卒業後、当時の三菱銀行に勤務する。しかし、32歳の時に退職し、
前職を活かし「コンサルト業」を行いながら、ビジネス書の執筆なども行っていた。そこで「ビジネス書」には限界がある。
という事に気づき、幼いころに好きだった「江戸川乱歩賞」を目指し、テーマを広げて執筆したが、
1度目の選考では落選してしまった。しかし2度目の挑戦で「果つる底なき」にて念願の江戸川乱歩賞を受賞。
1998年に小説家デビューとなる。「元行員」という経験を活かし、金融業界を描いたり、
中小企業を描くなど、企業を題材にすることが多いが、本来の「ミステリー好き」が高じて、
単純に「楽しんで欲しい」という気持ちで、【シャイロックの子供たち】は誕生した。
シャイロックの子供たちのタイトルの意味や由来は?
「シャイロックの子供たち」は、東京第一銀行長原支店を舞台に「百万円」という金額が紛失したことから始まります。
この銀行での社内恋愛、営業成績を上げたい行員、そして事件の裏に隠された人間模様。
なぜタイトルに「シャイロック」はシェークスピアの戯曲に登場する、強欲な金貸しの人物の名前があるのか?
原作のタイトルには【子供たち】とあります。銀行は【融資】という形で、企業に大金を貸し付けます。
つまりモデルとなった「シャイロック」のように、この東京第一銀行長原支店の中で、様々な強欲な人物の思惑がめぐり、
「百万円紛失事件」が起きたのですが、そこには偶然が重なり、まったく関係ない窓口の女性が犯人にされます。
しかし、それをかばったのは直属の上司西木だけでした。犯人にされたのは部下の愛理。しかし、なぜ休憩室の彼女の文庫本に、
百万円の帯が挟まっているのか!?そもそもそこが不自然だという事。誰かがわざと挟んだとみる方が自然。
このようにシェークスピアの時代に登場した、強欲な金貸しのシャイロックは時代を変え、
【金貸し】は【銀行】へと姿を変え、様々な欲が絡み合い、強欲なシャイロックのような人々が事件を複雑にしていきます。
その真犯人に迫りながら、この事件に関わった【金に強欲】な人物を、「まるでシャイロックのようだ」という意味合いもあり、
強欲な人物複数を示すため、【子供たち】と揶揄したのかもしれません。ストーリーは「百万円足りない」から始まりますが、
この事件の真相に迫っていくと、何十億というお金が裏では動いており、人間模様もとても複雑になっていきます。
そして、ラストは真相にたどり着かないまま、ミステリーとして終わります。池井戸潤さんの「エンターティメント」がそこにあります。
「シャイロックの子供たち」というタイトルは、シェイクスピアの戯曲に登場する強欲な「シャイロック」に由来し、
その強欲さを現代に置き換えて、ミステリー小説とし、タイトル象徴として「シャイロック」を登場させたのでしょう。
シャイロックの子供たちの元ネタやモデルはいるの?
シャイロックの子供たち
メガバンクの支店での現金紛失事件からの銀行の闇
池井戸作品は好みなので今回も面白かった
銀行も大変だな
不動産の話も良かった
昭和にはこんな話ゴロゴロあったでしょうね pic.twitter.com/IrgTwE7A4V— じゃっく。 (@yoshi_happyJacK) May 18, 2024
ではこの「シャイロックの子供たち」にモデルはいるのでしょうか?
シャイロックの子供たちの元ネタやモデルは?
池井戸潤さんはプロフィールでも紹介したように、慶応義塾大学の法学部を卒業後行員として働いています。
それは昭和のバブル時代の到来から、バブル崩壊までを銀行で過ごしています。バブル時代に貸し付けて、
バブル崩壊後に貸し付けたお金が回収できない。ということは日常茶飯事のさなかにいたのではないでしょうか!?
そのため、「シャイロックの子供たち」は読者に、単純にミステリーを楽しんで欲しいという思いで、
最後まで読んでもはっきりとした【真犯人】が登場せず、読者の想像で終わります。現実ではもっと大変な時期に、
池井戸潤さんが行員として、騒動のさなかにいたことが、このストーリーのモデルとなっているのかもしれません。
「百万円が足りません」という言葉の真実に迫っていくと、違う支店で貸し付けたお金が、不動産投資の失敗により、
全く回収できなくなり、担当者は「栄転」で長原支店に異動したのですが、その後もその企業は名前を変え、
【架空融資】で業績を上げるだけでなく、過去の返済に充てるお金にしようとした思惑が大きく裏切られ、
仕方なく利子の「毎月100万円」を支払えなくなった企業のことがばれないよう、最初の「百万円が足りません」に繋がります。
しかし、これは思わぬ形で解決するのです。翌日には「百万円」が出てきたのです。これは実は身内で出し合い作った「百万円」であり、
この時はまだ、裏で「何十億」という損失が出ていることに、行員たちは気づいていませんでした。
バブル全盛期と、バブル崩壊を「行員」からの視点で見てきた、原作者池井戸さんならではの作品なのではないでしょうか!?
そしてこのストーリーの主人公とは誰だったのか!?誰がこの事件の発端になったのか!?そこを解き明かすのは、
小説の読者であり、ドラマや映画を観た視聴者が、それぞれに結末を想像することになります。
※バブル景気は1980年後半から始まり、1993年には「バブル崩壊」と泡のように土地の価格も下落しました。
ツイッター(X)の反応は?
ようやくシャイロックの子供たちがアマプラにキタ━(゚∀゚)━!
私は既に見てあるけど、漢らと見る! pic.twitter.com/LT1MF3XnOR— どらみ (@doramikabu) May 4, 2024
シャイロックの子供たち
池井戸潤原作の同名経済小説をアレンジしたオリジナルストーリー。
生きてりゃ大なり小なり闇を抱えてるのが大人ってもんですなぁ……
と感じさせられる登場人物たち。特に橋爪功さんと木南晴夏さんのイヤなヤツっぷりが素敵やん!
銀行マンの物語ですが、結局人間の話よ。 pic.twitter.com/jly5bk5ALH— らうでい|暴れていかなアカン男 (@Rowdy_info) May 10, 2024
#1日1本オススメ映画
「シャイロックの子供たち」
池井戸原作は未読ですが、そのストーリーは、想像と違って面白い流れでした。銀行が舞台ですが、登場人物が皆、スネに傷があって、清廉潔白な人が不在なのが、逆に気持ち良いです。でも、支店長クラスが偉すぎですね。 pic.twitter.com/5TU5vFfgqz— ていち (@teiti_movie910) May 16, 2024
ラストが曖昧なので、「また観たい」となる作品となり、「銀行」という社会を描きながらも、人間の中のどろどろとした、
生臭い世界を描いているのが、この作品だと見る方もいらっしゃるようですね。
まとめ
・「シャイロックの子供たち」の原作者は元銀行員の池井戸潤さん
・タイトルの由来は【銀行】という中に、強欲なシャイロックのような人間模様が描かれている
・モデルはまさにバブル全盛から崩壊まで、行員として過ごした池井戸さんの経験なのではないか?
・SNSでは評判が高く、銀行という社会を描きながら、人間模様を見事に描き出している
今回は、元銀行員から小説家に転身した、池井戸潤さんが読者に「楽しんで欲しい」と執筆した、
「シャイロックの子供たち」のタイトルの由来などを調べましたが、このストーリーのモデルには、
少なくとも、行員時代に「バブル期」を経験した、池井戸潤さんならではの発想があると思います。