大倉忠義さん主演で、2020年9月に公開された映画「窮鼠はチーズの夢を見る」は、切なくも履かない【BLの世界】を表現した作品です。

 

相手役は成田凌さん、そして原作は水城せとなさんによる同名コミックです。元々2巻発売されていましたが、のちに別冊が発行され

 

すべてを1冊にまとめた原作となり、表現を変えたり、描写をソフトにするなど元々の原作とは少し異なる部分もあります。

 

今回は、この映画の不思議なタイトルの意味について考えてみたいと思います。

映画【窮鼠はチーズの夢を見る】タイトルの意味や由来は?

 

「窮鼠はチーズの夢を見る」というタイトル、なんだか不思議ですよね。【BL】の世界を描きながら、

 

「ネズミがチーズの夢をみる」これはどういった意味が込められているのでしょうか!?

 

映画【窮鼠はチーズの夢を見る】概要 

恭一は流されるまま、優柔不断な会社員であり、子供はいませんが結婚しています。

 

しかし、ある時妻が恭一の浮気を疑い「素行調査」を依頼したのですが、それを担当したのが、恭一の大学の後輩渉でした。

 

報告書を【シロ】にする代わりに「あなたの体が欲しい」と迫る渉に、流されるままキスに応じる恭一。

 

しかし、2度目の浮気、また渉の要求に応じ快楽を味わってしまった恭一。実はすでに妻は離婚の準備をしており

 

恭一もが浮気をしていれば、多額の慰謝料を手にしようとしていたのです。離婚を受け入れた恭一。

 

離婚成立後に引っ越した部屋に、渉は入りびたり、抱き合わなくても恭一は渉と、心地よい関係をつづけていました。

 

会社の後輩「たまき」と恋愛関係になります。そして、それが引き金となり別れたのですが、自分が求めるのはたまきではない

 

恭一は唯一残された渉の灰皿を捨てられない自分に気付きます。今まで受け身だった自分渉を求めた時にはもうそこに渉はいませんでした

 

しかし、一度だけ再会し初めて、自ら激しく渉を欲した、翌朝渉はいなくなり、灰皿も捨てられていました。

 

恭一は自分の気持ちに初めて気づき、たまきに別れをつげ渉を待ち続ける日々を送るのです。

 

映画【窮鼠はチーズの夢を見る】タイトルの意味や由来は?

まず気になるのは、【窮鼠】という表現ですが、追い詰められて行き場をなくし、窮地に陥ったネズミと言う意味です。

 

そこからタイトルを紐解くと、窮鼠】は恭一、そして、たまきという女性と結婚を考えるようになり

 

渉が去った後に、自分の本当の気持ちは渉にあることに気付きますが、すでに渉は姿を消した後

 

【チーズ】は渉をさし、流されるままに生きてきた恭一が、自ら招いた別れを後悔した時、渉を激しく求める自分に気付くのです。

 

映画と原作との違いは? 

 

やはり、原作を映像化するとなると、「そのまま」とはいかない場合が多いですよね。

 

そこで、原作との違いについて見ていきます。

 

【窮鼠はチーズの夢を見る】映画と原作との違いは?

【映画】

・知佳子は最初から、慰謝料を取るための浮気調査だと、渉ははじめから知っていたが、恭一に触れる口実に黙っていた。

【原作】

・妻が浮気調査を依頼するが、恭一は1度じゃ懲りず、しかし浮気は避けたいので、渉の要求を受け入れた。

 

【映画】

結果を「シロ」と報告する代わりに、渉の口へのキス、そして下半身へのキスを受け入れます。

【原作】

シロとする代わりに、あなたが欲しいと、渉ははっきりと恭一につげます。

 

【映画】

絶対に離婚などありえなかったが、妻の浮気に1年半も気づかず、最後にはその態度が気持ち悪いと言われ、別れることに応じた。

【原作】

最初から離婚ありきの素行調査であり、慰謝料を見積もるための浮気調査だった。

 

【映画】

引っ越した家に入り浸る渉。一線を越えないまでも体を求めあう2人。大学の元カノ夏生と再会し、あの頃から渉が恭一に夢中だったと、初めて知るが、夏生は私か、渉どちらかを選べと迫り、恭一は異性愛者なので夏生を選ぶしかなかった。

【原作】

引っ越した部屋に入り浸り、まるで恋人同士のような生活をする中で、恭一の元カノ「夏生」が復縁をせまってきた。

 

【映画】

しかし、夏生とは続かず、部下のたまきとの結婚を考え始めた恭一に、渉が別れを提案すると、恭一はそれを受け入れ2人は別れた。

【原作】

渉にとってたまきは脅威の存在であり、恭一が取られないかひやひやしながらも、異性愛者の恭一なら仕方ないと、彼なりに受け入れながらも、受け入れられない自分に戸惑う

 

【映画】

たまきと結婚前提でも、渉の灰皿が捨てられない、たまきはそれを見ては自分には勝てない相手がいることを悟る

【原作】

恭一は捨てられない灰皿から、渉を思う気持ちに気付くが、もう会えない。そんな日々が2か月続き、やっと出会えた時には後輩と先輩の間柄に戻っていた。

 

【映画】

やっと渉に会えた。まるでいつものように恭一の部屋へ行き、初めて恭一は渉を激しく求めた。たまきとは婚約解消すると言ったが、翌朝渉は灰皿をすて姿を消した。

恭一はたまきに別れをつげ、今度こそきっと戻らないけど、本気で待ちたい。と、どこか吹っ切れた表情だった。

【原作】

追われる立場の恋から、自分が追う恋に走っていることに気付いた恭一。そこで初めて渉の態度が変わり、2人は初めて一線を越えていく

 

【窮鼠はチーズの夢を見る】原作のネタバレは? 

原作と映画はかなり違うようですね。特に映画ではラスト「結ばれない2人」となりますが、原作では「結ばれ、行く先の見えない日々が始まる」ラストです。

 

原作では、元々妻は離婚するつもりで、浮気調査を依頼しましたが、渉はその事実を隠し恭一に交渉を持ち掛けたのですが、

 

その嘘がバレた時、恭一は渉に激高します。本当は離婚したくないから、取引に応じたのにそれを隠していた渉。

 

しかし、その取引に応じた自分の気持ちを口にした時、渉へのかすかな思いに気付きます。

 

そして、離婚成立後引っ越した部屋に渉は入りびたりとなり、恋人同然の生活をしますが、そこに恭一の元カノ夏生が復縁を迫ってきました

 

渉は恭一に体の関係を迫りますが、優柔不断な恭一は決断できないまま、翌日渉は姿を消し携帯も解約し連絡すら取れなくなりました

 

そこではじめて、恭一は渉への「愛」を認識し、今まで追われるだけだった恋愛が、自分が追う立場になっていることに気付きます

 

すでに渉には会えません。部屋には渉が残して行ったたばこの吸い殻と灰皿が残されたまま。

 

しかし、偶然2か月後タクシーを待っている渉に再会し、話しかけますがただの先輩・後輩となっていることに気付きました。

 

もうおそかったのか・・・。そんな言葉を口にした時初めて渉の気持ちが解放され、2人は激しく求めあい一線を越えました。

 

そこには、新しい灰皿と、新しいたばこのすいがらが残されていました。2人の思いがやっと結ばれ先の見えない未来がはじまったのです。

 

 

 

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