2023年に亀梨和也さん主演で公開された映画「妖怪の木こり」は、2019年に第17回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した、

倉井眉介さん原作が元になった、「サイコパスVS猟奇殺人鬼」のストーリーです。

 

今回はこのタイトルの意味なども含め、原作者についても調べていきます。

 

【怪物の木こり】タイトルの意味や由来は? 

「このミステリーがすごい!」の大賞受賞作が実写化されることが、最近多いですね。

【怪物の木こり】原作者について 

名前   倉井眉介(くらいまゆすけ)

生年月日 1984年3月6日

出身地  神奈川県

出身校  帝京大学文学部心理学科

デビュー 2018年(怪物の木こり)

デビュー作「怪物の木こり」が、2019年の「このミステリーがすごい」大賞を受賞するという快挙を達成しています。

というのも、「社会心理学」や「発達心理学」に興味を持ち、学んだことが小説にも活かされている。

 

と、言っても過言ではありません。このストーリーは幼少期に受けたあることがきっかけで、

「サイコパス」になった主人公の心理描写も細かく描かれています。なぜそのようになったのかは後程記述します。

 

そして、デビューと同じ年に発表した「あかね町の隣人」では、第64回江戸川乱歩賞最終候補にもなっています。

小説家としては少し遅咲きかもしれませんが、デビューしてからの作品が注目されている作家という事で間違いないです。

【怪物の木こり】タイトルの意味や由来は?

この物語の主人公は、表の顔は弁護士だが、自分の意に反する者は容赦なく処分する、「サイコパス」な一面を持っている二宮です。

しかし、彼は生まれながらのサイコパスではありません。彼の同級生の脳神経外科医の杉谷は、

 

医者という肩書を持ちながらも、裏では殺人に躊躇なく手を染めるサイコパスですが、この2人には大きな違いがあります。

二宮はある事件に巻き込まれ「サイコパス」の人生を歩むことになりましたが、杉谷は実家がすでに病院を経営しており、

 

杉谷は生まれながらのサイコパスです。それは「東間事件」が大きく関係していました。

26年前に子供を誘拐しては、「脳チップ」を埋め込む人体実験をしていた、東間翠という脳神経外科医がいました。

 

警察が東間の家に踏み込んだ時、その実験に耐えられた数名の子供と、耐えられなかった多数の子供の遺体がありました。

そして、二宮はこの事件の被害に遭い、人工的に「サイコパス」を生み出す実験台となっていたのです。

 

そして、その東間の家にあった絵本が、【怪物の木こり】というもので、被害に遭った子供たちはその絵本を読んでいました。

そしてタイトルの由来となる言葉は、絵本の中の言葉にありました。

「木こりさんは木こりになれる怪物じゃなくて、怪物になれる木こりなんだよ。だから、いつも木こりのすがたをしてるんだよ」

これは同じく東間事件の被害者であり、今回の「猟奇的殺人事件」の真犯人剣持も読んでいた絵本です。

そのため、この絵本に現れる「怪物の仮面」を被って、わざと犯行に及んだのです。そして剣持が狙ったのは、

 

「東間事件の被害者たち」・・・つまり、人体実験により自分と同じように、「サイコパス」に作り上げられた人物を排除するのが彼の目的でした。

そのため、二宮も仮面をつけた人物に襲われそうになったのです。しかし、この時に二宮の「脳チップ」が機能しなくなり、

 

人としての本来の感情を取り戻すきっかけとなったのです。そして改めて二宮がこの絵本を読んだ時、

ただの弁護士として生きていくのは、今までの人生に比べて「絶望」や様々な感情を感じ、苦しくなるが、

 

木こりのように怪物になることは、二宮にとっては「サイコパスな殺人鬼」に戻ること。それは脳チップを交換すればできる。

でも、彼は「怪物になること」を自らの意思で、放棄しました。弁護士であり続けることを選んだのです。

 

そのため、二宮のこれまでの人生と、これからの人生を絵本「怪物の木こり」になぞらえて、タイトルの由来となっています。

 

【怪物の木こり】元ネタやモデルはいるの? 

ではこの原作についてみていきましょう。

 

【怪物の木こり】元ネタやモデルは? 

この物語に登場する「怪物の木こり」の元ネタや、モデルとなった事例はあるのでしょうか!?

原作は倉井眉介の小説ですが、この小説が有名な著書に酷似している。という指摘がありました。

 

それは誰もが目にして耳にしたことがある、1900年発売のアメリカ児童文学として有名な「オズの魔法使い」です。

叔父と叔母と住んでいたドロシーが、竜巻に家ごとさらわれてしまい、元の村に戻るために、エメラルドの都を目指し、

 

その途中で、ブリキの木こりや、かかし、ライオンに出会い、最終的に北の意地悪な魔女を退治するお話です。

「オズの魔法使い」がなぜ「怪物の木こり」に似ているのか!?それは原作者自らが、この絵本からキャラクターを設定した。

 

との発言をしているのが発端のようです。まず名前がとても似ていることが挙げられます。

 

・主人公のドロシーは、この事件を担当した女性刑事戸城。

・ブリキの木こりは二宮。これはブリキの木こりが北の魔女に呪いをかけられるまでは人間ニックであったことからきています。

・ブリキの木こりの恋人エイミーは、二宮の恋人映美

・かかしの名前は「クロウ」という事から、二宮の親友杉谷九郎はこちらからとられています。

・ドロシーの愛犬トトは、刑事の乾(いぬい)です。トトが大きな秘密を暴くカギを握っています。

・東の魔女は東間。ドロシーが家ごと着陸したのは「東の魔女」の真上で、魔女はいなくなりました。

・ライオンは剣持という事になるでしょうか!?こちらは名前ではなく剣持の風貌がどこかしらライオンのようです。

そして、ブリキの木こりは心を失くしたため、「愛」を失ってしまいますが、心をもらうためにドロシーと都へ向かいますが、

 

「私は心をとりますね。脳みそでは幸せになれません。」

 

という言葉を残しているのが印象的です。二宮は剣持の「脳チップ」を使って26年間親しんだ脳に戻ることができましたが、

それを断り、「人間らしさ」を取り戻した脳を、たとえこれから辛い日々が待ち受けていようとも、選択をしています。

 

キャラクター的にも、それぞれが何となく「オズの魔法使い」を彷彿とさせるものがありますが、そこは「心理学」などを学んだ、

原作者倉井さんの「心理描写」などで、脚色され独自のミステリーとして完成されています。

ツイッター(X)の反応は?

映画の評判はなかなか良いようですね。中には原作を読んで映画を観た。という方もいらっしゃいますが、

原作のラストと、映画のラストは少し違うようなので、原作ではもやっとした気持ちが残ったのかもしれません。

 

そして、ラストでは二宮と杉谷の会話に「オズの魔法使い」という言葉が登場します。やはりここからインスパイアされているようですね。

 

まとめ

・「怪物の木こり」は倉井眉介さんのデビュー作品

・タイトルは被害に遭った子供たちが読んだ、絵本のタイトルからきている

・原作の元ネタは「オズの魔法使い」からインスパイアされている

・SNSでの評判はなかなか好評

 

今回は「怪物の木こり」のタイトルの由来について調べてみました。26年前におぞましい「人体実験」が行われており、

その被害者たちは人工的に「サイコパス」となり、その被害を食い止めるために剣持が「脳を持ち去る」という行為をしていたことがわかりました。

 

そして、タイトルは奇しくもその人体実験が行われた、東間の家にあった絵本から付けられていることがわかりました。

 

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